2019年12月14日
「一撃」の快感 -重量級刃物という選択肢- ④
皆様こんにちは、まろ(仮)です。
少々間が開きましたが前回の続きです。
エスカレートした重量級刃物、やはり行き着く果ては「コイツ」でした。
ご覧の通り「薪割り斧」ですが、一般的な物とはちょっと違います。
斧頭部を拡大、実は一般的な「鍛造品」ではないんですね。
これ、YOSI君が鉄板を溶接して作ったんです。
製作時の写真が無いので段ボールで手順、部品類を再現してみました。
(大雑把なので厚み等のスケールは不正確です)
↑ まずラフ図を描きます、この図から各部品の寸法を割り出して、
↑ 切り出した部品達
A 最後にエッジになる部分、焼き入れ出来る鋼材(S45C 5mm厚)を使用
B-1・2 刃体の両側面(SS400 5mm厚材)
C-1~3 補強リブ 2・3は開口部を塞ぐ役割も(同上)
D・E 櫃(柄の入る部分)の前後(SUS304 20×15mm) Dが長いのは柄の保護の為
↑ AとC1(切り込み入り)を仮止め(スポット溶接)
↑ それをB1・B2で挟んで仮止め、刃先だけ三層になります
↑ Dを仮止めしたところで本溶接、
ウェルダ-(発電式溶接機)を起動し大出力(200V×20A=4Kw)で各部品を止めます
↑ E、C2、C3 の順で溶接して凡その形になりました、
更に刃先等の細部を整形して熱処理(焼き入れ・焼き戻し)し、柄をはめて完成です。
延べ作業約6時間(焼き戻し冷却時間を含まず)程でした。
現在耐久試験五年目、今のところ問題は発生しておりません。
今回はこの辺で、お付き合い頂きありがとうございました。
それではまた、まろ(仮)でした。