2019年05月16日
分解~ハンドル加工 -オピネルのナイフ- ②
今晩は、まろ(仮)です。
今回はオピネルのナイフを分解して、ハンドルを加工します。
先ず「刃引き」(刃を削って切れなくすること)しておきます、ポイント(切っ先)もカバーした方が良いですね。
分解の第一の関門は『リング』です、「ロックした状態から強引に開いて外す」等と良く見かけますが、
「危ないので止めて下さい」
と声を大にして申し上げます、ナイフが破損するだけならともかく、怪我したらつまらないですよ。
ではどうするか?至って簡単、「スナップリングプライヤー等の工具を使いましょう」
写真上の赤いハンドルは「Eリングプライヤー」、握ると爪が開く工具です、 ホームセンター等にあります
リングが外れたら第二の関門『ピボットピン』です、鑢(グラインダー)でカシメ部を削り、反対側へ抜きます。
ピンは短くなって再利用不可なので真鍮棒で新調します、#9~#12は3mm径で共通です(役に立たない豆ww)。
めでたくバラバラになったのでハンドルを加工します。
#240のペーパーがロールであったので蒲鉾板に貼り付けておきます(出番は少し後)
先ず 塗装をすべて剥がします、特に木口(こぐち・木の繊維を垂直に近い角度で切断した面)は念入りに。
塗装が剥げたら板の出番、側面を後ろに向けて薄くするのが私の好み。
この過程でピボット部を1mm弱広がるように削ります(0.5mmのナイロンワッシャーを2枚組み込む為)。
理想は刃が収まる部分と並行にすること。
整形完了。後端上側尾鰭状の突起は削り落としました、もう開閉が渋くて「コンコン」することはないので。
ここ迄の作業時間は30分程、ブナ材は軟質なので削るのにさしたる苦労はありません。
ソングホール(Thong hole 紐通し穴)が必要ならこの時に開けます。
ここで一度「仮組み」をして、ワッシャーの入るスペースの有無を確認します、
狭すぎたら削り、広すぎたら組み立て時にスペーサーでも挟みましょうかね。
今回はここまで、次回は「乾性油を浸み込ませる方法」をご紹介します。
2019年05月16日
貴方は改造する?しない? -オピネルのナイフー ①
アウトドアを嗜む方でご存知ない人はいないであろう「オピネル」のナイフ。
価格の低さ、素朴な造り、薄めの刃、バリエーションの豊富さもあってか人気の模様。
一方で、「ピボット(可動軸部)がキツくて開閉できない」、「新品のままでは切れない」という声も聞かれます。
ピボットがキツくなるのはご存知の通り「ハンドル材(ブナ)が吸水して膨れる為」、日本はフランスより湿度が高いですからね。
国内向けの国産刃物は大半が出荷前に研がれていますし、フランス人は私達ほど鋭利さを求めていないのかも知れません。
何でそんな話をするかといいますと・・・、
「別にオピネルでなくてもイイんじゃない?」
と私自身が思っているからです、日本は世界的刃物生産国ですし良い刃物は身近に溢れています。
「ならお前オピネル嫌いなのかよ?」と思われた貴方、此処からが本題です。
ネットの世界を徘徊していると、様々な方、オピネルと出会います。
曰く「オリーブオイルに漬けた」、曰く「乾性油でなきゃ駄目」、曰く「乾性油漬けは最悪、手など加えるな」etc etc・・・。
「本人が納得の上で楽しんでるならいいじゃん」と思う反面、「余り意味なさそう」とか「危ねーよそれ」と思わされる記事があるのも事実。
ならば「私にとっての快適なオピネル」を紹介するのも無意味ではないでしょう(工作好きの言い訳)。
口上が長くなりました、本編に入ります。
対象はこちら#10 INOX です

手持ちの#9 カーボンスチールとの比較、光って見えるのはツールマーク(研削痕)の為

改造の方針は以下の通り
1) 開閉が常にスムースで、安全であること
2) 握り易い(使い易い)こと
3) 見栄えも(出来るなら)良いこと
具体的作業内容
1) ハンドル材に乾性油を含ませ硬化させる(水分を吸わせなくする) 同時にナイロンワッシャーを組み込む
2) 握り易い形状に削る(乾性油を含ませる前に行う)
3) ブレードはツールマーク(研削痕)がなくなる程度には磨く
今回はこの辺で、 次回は「分解~ハンドルの加工」を投稿の予定です
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